JAMDAブログ

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2013年01月10日

[  第41回JAMDA海外視察―NEW YORK Christmas Display-  ]


「ニューヨークは面白い」この地に行かれた方々は、皆そう言います。
そこまで人々を魅了する街であるニューヨークとはどのようなものなのか?
アメリカのクリスマス装飾はどのようなものなのか?
世界の中心とまで言われるニューヨークの流れる時間はどういったものなのか?
様々な疑問と期待を抱きながらNYへ向かいました。
約12時間のフライトでJFケネディ国際空港に到着。ここまでは他の国とそう変りない空気が流れていました。
マンハッタンへ入るため、イースト川に架かるクィーンズボロ・ブリッジを渡ります。

東京でも超高層ビルは多くありますが、橋から見るNYの街全体には、『色と形』がありました。ブラウン、ベージュ、ホワイト、などの落ち着いた色の古典建築様式の古いビル群と窓がミラー貼りの単純な箱状の新しいビル群が詰め込むようにありました。この色と形のコントラストは、今までのどの街にもないものでありました。

~NEW YORKのクリスマス装飾~
街全体がクリスマス装飾をしていると言っても過言ではないかと思います。日本ほど街路樹にイルミネーションは多くありません。しかしながら、小さなお店にもウィンドウがあり、しっかりとクリスマス装飾をしていました。連なったお店の各ウィンドウは夜中も灯っているので、日本のイルミネーション効果以上の美しさと楽しさがありました。日本では最近ようやく、白LEDのイルミネーションは減ってきましたが、NYではほとんどが温かみのある電球色でした。
取り付け方は雑なところもあります。1つ1つの演出小物の作りも大雑把な点も見られますが、テーマを明確に持ち、それを魅せることが非常に巧みです。
ウィンドウの奥行感を活かしたマネキンと商品配置がうまく、それをさらに照明によって、 より効果を高めていました。

バーグドルフ・グッドマンFREE PEOPLE

~SOHO~
一日目の夕方に訪れたダウンタウンの中心エリアの『SOHO(ソーホー)』。ブランドの旗艦店から、個人経営の小さなファッション店舗、インテリアショップ、雑貨ショップなどが建ち並ぶエリアです。
古い建物のエントランスの両脇がウィンドウになっていて、各店舗がテーマを持って演出しているのが分かります。ただ単純にモノを置いてだけになっていないのが素晴らしいことだと思いました。

~Garden State Plaza(ガーデンステーツモール)~
2日目は車でニュージャージー州まで行くこととなりました。
屋外型アウトレットセンターのWoodbury Common(ウッドベリーコモン)と、郊外型ショッピングモールのGarden State Plaza(ガーデンステーツ)を視察しに行きました。
道中の幹線道路沿いには、大型ショッピングモールの前身である、1店舗1駐車場のお店が立ち並んでいます。
ここアメリカではこの形態は次第に廃れ、効率の良い大型複合ショッピングモールへと変わってきたそうです。
ガーデンステーツモールのスケールは、日本の大型ショッピングモールが8つ合わさったくらいです。
迷います・・・ここは今ドコ??になりました・・・。
スーパー衣料品コーナー系、量販系と百貨店、と混在した大型複合モールです。
しかしながら、店内はそれぞれのショップが趣向を凝らし、演出をすることで楽しい空間となっていました。

~Bloomingdale's(ブルーミングデールズ)~
3日目は、59ストリートとレキシントンアベニューにある9階建ての百貨店である『ブルーミングデールズ』へ視察に行きました。
地下鉄でのアクセスも良く、周辺にはカジュアルショップが立ち並ぶ地域になっています。
ここではVMD担当の方々からお話を聞くことが出来ました。

Q:クリスマス装飾はいつから?
A:クリスマス装飾は2か月くらい前から少しずつ進め、特設売り場など展開していきます。

Q:現在のマネキンの主流は?
A:抽象マネキン。抽象マネキンのほうが固定イメージが無く、好きだから。

Q:装飾施工の時間は?
A:閉店後です。夜中の施工になります。

Q:クリスマス商戦はどう?
A:クリスマスに限らず近年ではアマゾンなどのインターネット通販により、厳しくなってきています。
ここを打開するべく、日々試行錯誤しています。
百貨店オリジナルカタログを製作し、インターネットを連動する販売方法を構築しています。

店内が広いため、VPの展開箇所が多くありますが、表現方法は日本の百貨店と同じものでした。決定的に違うのは外のウィンドウの遊び心かと思います。ウィンドウディスプレイは百貨店の顔であるという意識があり、明確なテーマとストーリーを持たせ、装飾されているのではないかと思いました。

~最後に~
自由行動時間では、アメリカ自然史博物館とメトロポリタン美術館などに足を運びました。
毎早朝、地元ニューヨーカーと一緒にセントラルパークやハドソン川沿いのランニングをしてみました。
短い研修期間でしたが、多くの有名商業施設の視察をし、アメリカ文化やNYのライフスタイルにも触れられることも出来ました。
クリスマスシーズンのニューヨークは、訪れる人々を楽しませる仕掛けが多くあり、街全体がエンターテイメントに溢れていました。
この地で得られた知識と経験、感覚を今後の日本での仕事に活かしていきたいと思います。
今回の海外視察の企画、案内をしてくださいました奥村様、現地にてコーディネートしてくださいました岩田様、本当にありがとうございました。 

株式会社七彩デザイン部 大熊 聡一郎

投稿日時:2013-01-10